まいにちきろくノート

まいにちきろくノート

気になったことをきろくしていきます。

10才児の集団に適切な図を適切な位置に書かせる方法


私は集団塾の講師をしています。

 

心臓の図をノートに書かせたい。

ノートの中央に握りこぶし大の円を書かせたい。

みなさんならどうしますか。

f:id:tmt_krk:20190427213844j:plain

 

そんなの子供に書かせるのがまず間違い!

事前に心臓の図を紙に書いて、配ってあげればじゃない!

…なーんて思ったそこのあなた!

塾は教材費をいただいている関係上、各講師が私的なプリントを配ることは基本禁止されているんです。

前の会社もそうだったし、今の会社もそう。

というわけで、ノートに書かせる方法を考えていただきたい、すみません、お願いします。

 

 

今までにトライした方法は3つ。

どれが一番うまくいくと思いますか?

 

1.「ノートの真ん中に握りこぶし大の丸を書いて!」と呼びかけ、黒板にノートの図を描き、だいたいこれくらいだと書いて示す

 

2.「上から5マス、横から5マス行ったところから、縦10マス横10マスの中に丸を書いて!」と呼びかけ、黒板にもマス目の指示を書く

 

3.子供たちが使っているノートのいちページをコピーして、書いて欲しい大きさの円を、書いて欲しい位置に書き、黒板に貼り付ける

 

 

さあ、10才児に一番効果的なのは何番か!?

 

 

私の勝手な統計によると、圧倒的に2番。

30人ちょっとのクラスで、9割以上の子が指示通り書けちゃう。

かかる時間も、最も少ない。

パッと見ものすごくややこしそうに見えるこの方法、子供たちはとても受け入れやすいよう。

 

では1番はどこが問題なのか。

子供たち、「真ん中に書いて」って言ってるのに真ん中に書いてくれないです…!!!※ノートの中央のこと

びっくりするぐらい「真ん中」が伝わらない。

黒板で図示しているのに。

半分弱の子が、思い思いの場所に、円を書く。

黒板で図示しているのにーーー!

 

「せんせー!!これであってるー!!?」って嬉しそうに、ノートの上の方に円を書いている。

 

「いや、真ん中だよ!」と言うと、頭の上にはハテナがポン、ポン、ポン。

 

上の方に後から書き足したいから、上に5マスくらい空けて、握りこぶし大の丸を書いてね!と言ったこともありましたが、これでも伝わらず。

おそらく、円を書くことで必死なんだろうなあ…

すまんよ、難しいことお願いして…

 

 

3番を試した時は、とても面白い結果になりました。

子供たちが使っているノートをそのままコピーして、書いて欲しいサイズの円を、書いて欲しい場所に書いて、こりゃー上手くいくぞ!なーんて思っていたら、

 

なにやらみんな、書くサイズがとても小さい!!!!!

8割くらいのこが、小さな円を書いている!!!!!!!!

 

机間巡視しつつ、え、なんでなんで!?とふと黒板を見たら…

黒板に貼り付けた円が、ここからだと小さく見える!!!

いや、そりゃ確かにそうなんだけど!!!!

縮尺無視かい!!!!!!

結構な衝撃でした。

 

そうか、子供たちの席から見たら、ただの小さな丸なのか。

遠近とか、縮尺とか、考えられないもんなんだ!!!!!

へえー!!!!新たな発見!!!!

 

磁石を外して、子供たちの席まで見本を持っていくと

「えっ!?大きい!!!あれ!?」の声。

純粋に、かわいいなーと思いました。

そしてごめんよ、とも。

 

 

そんなわけで、一番上手くいくのは2番。

書いて欲しい大きさを、マス目で伝える。

 

「いち、にー、さん、しー…」と声に出しながらマス目を数え、

「よし、ここ!」と決心した顔で円を書く。

そしてパッと顔を上げ、「できた!!!」の嬉しそうな表情。

 

 

塾の講師ってとても面白いです。

もう10年経つけど、毎年新しい発見がある。

これが究極の指導法だーーー!!!なんてものはなくて、毎年頭をひねって、より良いものを考えてトライする。

 

今のところは、このマス目数え戦法が最有力戦術です。

 

 

※塾のあれこれ 他記事

tmt-krk.hatenablog.com

tmt-krk.hatenablog.com