全ての人間は、二種類に分けることができる。
豚バラを大量に食べても平気な人間と、そうではない人間だ。
我が家の大人気メニューに「豚丼」がある。
醤油、酒、みりん、砂糖、にんにく、しょうが。
焼いた豚バラ肉をこれらで煮詰める。
こんもり盛った熱々ご飯の上に、黄金に輝く豚バラを乗せる。
ネギとゴマをしっかりとふりかければ、「黄金の豚丼」の完成だ。
もちろんクックパッド先生のレシピ。
ニラ丼と同じ方のレシピ「☆黄金の豚丼☆」です。
ネギとゴマは料理を爆発的においしくする魔法の食材だと私は思っているし、
豚バラ肉を使った料理は総じてうまいものだと、えらいひと(うちの大黒柱)が言っていた。
つまり、この豚丼は最高にうまいのだ。
しかし残念なことがひとつある。
私の胃腸はあまり強くはない。
しばしば豚バラのあぶらっぽさに負けてしまうのだ。
一杯でやめておけばいいものを、お代わりなんかするから。
一杯目で米半合強も食べたのに、まだ食べようとするから。
くやしい。
豚バラをたくさん食べても平気な人間に、私はなりたかった。
強靭な胃腸が、ほしかった。
私は中途半端に頭がいい。
許容量を超えてしまうと、お腹を壊すことを知っている。
お代わりに行く足が、止まる。
ああ、どうして私はコチラ側の人間なんだろう。
全てのオムツは、二種類に分けることができる。
テープタイプと、パンツタイプだ。
ハイハイをし始めたら、パンツタイプの試し時。
たっちやあんよを始めたら、パンツタイプへの切り替え時。
そうえらいひと(パンパース様)はおっしゃっている。
ハイハイは生後6ヶ月ごろから始まるという。
我が子はまだ生後2ヶ月にも満たない。
しかし残念なことに、私の目の前にはパンツタイプのオムツが鎮座している。
くやしい。
「パンパース」「はじめての肌へのいちばん」「Sサイズ」この3つの条件を出してもなお、商品がひとつに絞られないことがくやしい。
なによりデカデカと書いてある「パンツ」の文字が、おしゃれデザインゆえにあまり目立っていないことがくやしい。
そもそもハイハイ期がまだまだ先だというのに、Sサイズにパンツタイプが存在していることがくやしい。
夫が間違えて二袋も買ってしまったこともくやしいし、
袋のサイズに微妙な違和感を覚えつつも勢いよくビリリと開封してしまった自分の軽率さがくやしい。
鋭い洞察眼が、ほしかった。
私たちは中途半端に頭がいい。
レシートがあれば、開封していなければ、一週間以内であれば、返品できることを知っている。
オムツを取り出した手が、止まる。
ああ、どうしてこのオムツは、テープタイプではないのだろう。
あれ、結構でかでかと「パンツ」って書いてない?
まあいっか。
豚丼食べよ。