まいにちきろくノート

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気になったことをきろくしていきます。

塾での思い出③「おばさんって呼んでいい?」

こんにちは。

今日は塾での思い出シリーズです。

 

私、出産前まで中学受験専門の塾講師をしていました。

学生アルバイト時代も含めると、丸10年続けた仕事になります。

今日はそんな思い出の中からエピソードをひとつ。

 

 

 

小学生というのはピュアなもので、若い女の先生を見ると「かわいい」とか「きれい」なんて認識をしてくれるんです。

当時私は28歳。

さほど若い年齢ではなくなってきていたけど、50歳をこえる大ベテランの先生方に囲まれて仕事をしていたので、子どもたちからすると「若い先生」

若くて女の先生なら、みんな、「きれいな先生」

小学生はほんとにピュアです。

 

しかしある日突然、こう言われました。

「せんせー、今日から、せんせーのこと、おばさんって呼んでもいい?」

えっ何だって?

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当時、子どもたちは5年生半ば。

彼らとの付き合いは、4年生からでした。

中学受験塾ならたいていがそうだと思うんですけど、前学年の2月からもう新学年扱いをするんですよね。

だから正式には3年生の2月からの付き合い。

豆粒のように小さくて、コロコロとかわいくて、素直で純真。

そんな頃からの付き合いでした。

 

テストによって多少のクラス変動はあれど、このクラスの子は特に懐いてくれていて、4年生のころはしょっちゅう「あ〜今日も楽しかった!」「せんせー大好き!」「あと1時間授業あってもいいよ!」なんて嬉しい言葉をガンガンくれるクラスでした。

 

 

それが、なんだ、どうした。

5年の夏、君たちはどうしたっていうんだ。

 

「おばさんって呼んでもいい?」だと?

 

とんでもないニコニコ笑顔で、いったい全体何を言い出してるんだ。

 

「いきなりどうしたん?」

「おばさんって呼びたくなって!いいやろ?おばさん!もうおばさんって呼ぶって決めたから!」

 

その子の後ろにいる子たちも、口々におばさん、おばさんと言ってくる。

その顔はニコニコとニヤニヤの間くらいの表情をしていた。

どの子も、少し前はまで「せんせー大好き!」と言っていた子たちだった。

 

はっは〜ん!

読めた、読めたぞ。

 

 

とりあえず、「〇〇先生」以外の呼び方をされたときに返す決まり文句から。

 

「先生、きみたちのこと、呼び捨てにしたりあだ名で読んだりしないでしょ?

仲良しだけど、絶対に、〇〇くん、〇〇さんって、呼ぶでしょ?

それはきみたちのことを大切に思っているから。敬意をもって接してるからだよ。

だから先生のことも〇〇先生ってちゃんと呼んでほしいな」

 

あだ名や下の名前で呼ぶ先生もいますけど、たぶんどこの塾も基本は「名字にくんさん付け」呼びだと思います。トラブル予防のために。

特定の子にだけあだ名呼びをしたり下の名前呼びをするとクレームを作りやすくなるので。

言われてるときはニコニコしてたのに、実は生徒はあだ名を気に入ってなかった、とかね。

あるあるです。

ちなみに逆バージョンもあります。

「あのこはあだ名呼びなのに、私はちがう!ずるい!私もあだ名で呼ばれたい!」とかね。

ややこしい、ややこしい。

 

 

ということで、私は徹底して〇〇くん、〇〇さん呼びしていました。

あだ名で呼ばなくても、下の名前で呼ばなくても、名字呼びでふつうに仲良くなれるしね。

 

 

さて、ということでここまでは決まり文句です。

小学6年生くらいになると先生のことを「〇〇セン」とかあだ名で呼びたくなるおませ女子はどこにでもいますのでね。

今まで何度もこのセリフで乗り切ってきました。

「敬意をもって接してる」って言うと、なんだかみんな嬉しそうな顔をして大人しくなってくれるので。

小学6年生といえど、まだまだ素直です。

 

 

だがしかし。

今回は話がちがう。

「おばさんって呼んでいい?」

ですからね。

あだ名で呼びたいとか下の名前で呼びたいとか、そういう話とはちょっとちがう。

ここは一言ばしっと言わねばならん。

言わねばならんわけですよ。

 

 

 

 

「まあでもおばさんって呼んでいい?には先生びっくりしたわー。構ってほしいにしても、やり方ってもんがあるよ。

先生のことが大好きなら、「せんせー大好き!」って素直に言ってくれたほうが先生は嬉しいんやけどなあ〜!

ほら、言ってごらん?

「せんせー大好き!」って言ってごらん?

そしたら、「先生も!!!先生も、みんなのことが大好き!!!大大大好き!!!!」って返すから。

ほら、もうどっちも幸せやん。最高やん。

ね?つぎからこうしよう?

何回でも言うし!

 

子どもたち、照れすぎて言葉を失う。

もうおばさんと呼ぶ者は1人もいなかった。

先生、完全勝利。

yeah!!!

 

 

その後は〇〇先生呼びに無事戻りました。

帰り際、

「また大好きって言われたくなったら言ってや〜なんぼでも言うしな〜」

って言ったらまた照れてました。かわいい。

 

 

普段から信頼関係を築いてさえいれば、多少のことは即解決できます。

今回は構ってほしかっただけですね。

 

 

似たような例で、こんな小6男子がいました。

夏期講習のお昼ご飯タイム、なんべん言ってもおにぎり持ったまま歩き回るんです。

見つけては席まで戻し、見つけては席まで戻しを3回繰り返したあたりで、

「なんなんや!〇〇くんはなんなんや!なんでイスに座って食べてくれんのやー!」って嘆いたら同じクラスのこが

「〇〇は先生が好きで構ってほしいだけなんやで」と。

「そうそう、構ってほしいだけや」と男子も女子もみんな同調。

「あっそうなん?構ってほしいだけやったん?なんやそういうことか〜」

 

そこからニッコニコでそのこを追いかけまわしました。

「なんや〜先生のことが好きで好きでたまらんかったんか〜はよう言いなよ〜

先生もやで〜先生も大好きやで〜

そんなん言わんでもわかってたと思うけど、先生も〇〇くんのこと、もちろん大好きやで〜

ほ〜ら〇〇く〜ん、おにぎりの食べ歩きとかようわからんアピールしとらんと、こっちにおいで〜」

自分でも気持ち悪いくらいのニッコニコ笑顔かつ早歩きで追いかけ回しました。

男の子、顔真っ赤っか。

 

「違うわ!!!そんなんと、違うわ!!!もう!!!教室戻れへん!!!!!」

その日以降、ご飯タイムの食べ歩きはなくなりました。

なんだ、みんな愛情に飢えているのか。

 

 

その子は小4〜小6の丸3年継続して担当した子で、講習会の授業も私が担当になると、

「またせんせーか!!!飽きたわ!!!別のせんせーがいい!飽きた!!もうええわ!!!」

と言ってくる子でした。

どこの塾もそうだと思いますが、季節講習会って担当の先生がいつもと違ったりするんですよ。

違う先生を楽しめると思ったのに、またアンタかい!ってことですね。

これ、丸3年ずっと言われ続けました。

真面目系女子が「なんでそんなひどいこと言うん!?私は〇〇せんせーがいい!〇〇せんせー楽しいしわかりやすいし最高やん!」とこれまた毎度言うわけですけど、彼はへこたれず毎度毎度ブーブー言ってました。

でもそんなこと言ってますけど、授業中はめちゃくちゃ頑張るし楽しむし、よくやってくれてました。というか、私が担当している科目が、彼の最大の得意科目でした。

あまのじゃくか!!!

 

 

小学生、結構愛に飢えてる説。

年を重ねると愛を求める方法が不器用になっていくのがちょっとおもしろいです。

みんな、学校生活楽しんでるかなあ〜

自粛、早く落ち着いてほしいなあ〜

 

 

☆生徒とのエピソード

「先生、化粧濃い」そう言われて傷ついていた時代もありました↓

 

不器用な愛情表現をする姉御系女子のお話↓

 

小5男子が突然、「ワイ!?ジャパニーズピーポー!?」と授業中言うようになった話↓

 

 

☆こんな授業してました↓

塾での思い出①テスト前のプチクイズと鬼ルール

塾での思い出②まちがい直しと、鬼と、伝説の神様

 

授業の様子はこれが1番わかりやすいかな↓

いまどきマイクラキッズへの授業。ドラクエも通じるけど、時代はマイクラですよ!

 

そしてid:odanouraさん、ネットラジオ?へのお誘いありがとうございます。ただ残念ながら私はひとさまに楽しいお話ができるような大層な人間ではないので、遠慮させていただきますね。あと声出ししたら生徒にバレたとき言い逃れができないかつ非常に恥ずかしいことになるので、遠慮させていただきますね。「せんせー何やってん!うける!」と言われかねないので。「〇〇中に行った△△にも、教えといたで!うける!」とかね。ごめんなさい!