こんにちは。
塾の講師ロス(?)が続いております。
落ち着けばまた普通の子育てブログにもどりますので、興味がない方は少し時間を置いてからまた覗いていただけると嬉しいです。
10年続けた塾の講師。
中学入試専門でバリバリやってきました。
妊娠・出産を機に退職したものの、思い出があふれてあふれて止まらない状態になっているので、今日もまたぽつりぽつりと書いていこうと思います。
中学受験をするなら、避けては通れない宿題があります。
それが「毎日の計算問題」。
どこの塾でも、必ず課されます。たぶん。
うちはプリントで、毎週6枚分渡していました。
翌週回収して、教師が丸つけし、当日中に返却。
間違いがあれば直しをして再提出。
間違いがなくなれば、帰ってよし!
ただこれ、上位クラスになるとたまにとんでもなく面倒くさい回が出てくるんです。
大人でも、ああこれを60問もやるのはそりゃ嫌よねって言いたくなるような回が。
もちろん子供たちの不正解数は爆発的に増えます。
いつもは多くて5問くらいなのに、平気で25問くらいミスが出ます。
25問って、もはや直しの域ではないですよね。
しかも一問一問が面倒くさいともなれば、子供たちはやる気を失います。
なんとか頑張ってもらいたいと思った私は、ミスが10問をこえたところからある絵を添えるようにしました。
バナナです。
以降は、「そんな」が省略されてただのバナナがひたすら書かれます。
これくらいなら3秒で書けますのでね。
ミスの数が20問をこえてくると、バナナに変化が訪れます。
突然一本になって、
皮がむかれて、
最後サルに食べられるっていう。
しょーもな!!!
ほんま、しょーもな!!!
でも、このしょーもなさが小学生にはうける。
20問以上ミスをしてしまうのはだいたい3人くらい、多くて5人くらいなんですが、みんなケラケラ笑いながら直しに取り組んでくれます。
「せんせー!サル出てきた、サル!!!オレがいっぱい間違えたら、サル出てきた!!!」
なんならいつもより積極的にね。
少しの工夫でこんなにもやる気を出してくれる小学生、ほんとすごいですよね。
少しの工夫といえば、私の持ち技(?)に「問題のレベルづけ」があります。
小学生はね、みんなこの「レベルづけ」が大好きです。
レベル5から始まって(私はポケモン世代)、レベル10、レベル20とどんどん上げていきます。
レベル表示されるだけで、子供たちのテンションは爆上げです。
「おれレベル50解けた!!!おれすげえー!!!」
「せんせー、次は!?次はレベル何!?」
「次はレベル1億やね〜」
「レベル1億!?やべえー!!!出来たら神やん!!!やべえー!!!!」
単純にゲームっぽくなって面白そうに見える、というのがひとつ。
各問題の難易度が明確にされることで「このレベルまでは絶対にクリアしたい!」という思いが芽生え、積極さが増す、というのがひとつ。
とんでもなく難しい問題でも「これが出来れば自分は勇者だ…!」と思うことでワクワク楽しみながら取り組める、というのがひとつ。
レベルづけはいいこといっぱいです。
ちなみに私がもうける難問は「レベル鬼」。
最難関問題は「レベルえんま大王」でした。
全然こわくないー!って言われるので、「えー?じゃあ金棒書き足すわー」って金棒添えたりしてました。
この少しのやり取りでやる気を出してくれるなら、費やす手間なんて微々たるものです。
ああ、あと、子供たち、「神」も好きですね。
講習会では各単元のはじめに軽いチェック問題があるんですけど、非受験生である5年生はまあやる気ないです。
眠たい中朝早くから塾に来て、面白くもない勉強をさせられる。
それも何週間も前に習った記憶おぼろげな問題ばかり。
思い出すのもめんどくさい。
ああ嫌だなー、そんな気持ちでいっぱい。
でもこれが、あるルールをひとつ追加するだけで、みんな目の色が変わるんです。
まるで新発売のゲームを買ってきたもらったような、そんな目になる。
「今からやる問題はたくさん考えないといけないちょっとめんどくさい問題だから、もし全問正解した子がいれば、この授業の間だけ、その子のことを神と呼ぶよ」
「えっどういうこと?」
「もし山田くんが全問正解したら、この授業の間だけ、山田くんのことを山田神(やまだしん)って呼ぶよ」
「ええええええええええええ!!!!(大歓喜)」
いつもなら山ほどミスが出る物理の単元だったんですが、このときはなんとクラスの7割が全問正解しました…おどろき。
たぶん人生で1番目をギラつかせた時間だったんじゃないかな。
小学生ってこんなに血眼になって問題に向かうことできるんやなって、感心しましたもんね。
正解した子たち、呼ばれるたび照れてました。
「ほら、そこの山田神!イスうかせてたら危ないやろー?神様なんやからしっかりしてなー?」
「へへ、そっか、おれ神さまだから…へへへ」
授業中盤あたりで、しっかり者の女の子から申し出があったのも思い出深いです。
「先生、私も神になりたいです。リベンジはないんですか?」
「うーん、じゃあ次にやる難しい問題クリアできたら、神様認定しよか!今までの問題しっかり見直したらできる問題よ!」
「えー!せんせー、じゃあ最初に神様になったひとは次正解したら何になれるんー?何か変わるんー?(不満げな顔)」
「そうねー、今神様で、次も正解したら…
伝説の神様になれるよ」
「でっ、伝説の神様…!?
(ゴクリ…!)」
講習会の最終日にやったんですこれ。
で、ほんと最終日にしてよかったなと思いました。
「せんせー!!!また!また神様って呼ばれたい!!!!」
「あの回めっちゃくちゃ楽しかったから、また同じようにやって!!!」
でも通常授業でそんなことに時間割いてられませんからね。
あれは講習会で、さらに集中力マシマシでやってもらわないと困る単元だったからけしかけただけなので。
「あれは講習会限定だから、もうやらんよ」
「えー、楽しかったのになあ」
「でも通常授業をしっかり頑張ってれば、次の講習会でまた神様になれるってことやで?今を頑張ることも大事よ!」
「そっかあ!じゃあ毎回がんばる!そんでまた伝説の神様になる!!!!」
男の子も、女の子も、お調子者も、大人しい子も。
みんな鬼は退治したいし、神様になりたいんです。
ああ、楽しかったなあ。
やっぱり戻るなら、ガチンコの集団塾だなあー。
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「乳児」にもどるまで、いましばらくおまちくださいませ↓
昨日・今日でだいぶ消化できてきました。
書き出すっていいことだなあ。
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ところでid:ssmetalさん、お子さんと一緒に見ていただけているというのは、あのドラクエ好きのお子さんでしょうか!?
嬉しいです!!!\( ˆoˆ )/
うちも夫がドラクエ好きなので、息子もドラクエ好きに育つと思います。
段ボールで剣やら盾やら一緒に作るのが、今から楽しみです。