昨日、衝撃を受けた。
昨今のゲームでは、木の剣よりも、石の方が、攻撃力が高いらしい。
昨日、前期で学習する内容の中でも飛び抜けて難しい単元を扱った。
この時期だから、どこの塾でも物理化学に突入し、多くの子供たちが計算問題に四苦八苦していることだろう。
基礎問題から全力投球でやっていかないと、少しレベルが上がっただけで全く歯が立たなくなる。
問題文の意味さえなんだかよくわからない、という事態も珍しくない。
小学生が嫌いな単元ワースト3に確実にランクインするところだ。
だから、計算問題に入る前にこんな話をした。
「いいか、君たちは今、レベル村人だ。
石を投げてたたかうことしかできない。
スライムを倒すのがやっとのレベルだ。
でも、簡単な問題から丁寧に勉強していけば、必ずレベルが上がる。
難しい問題が解けるようになる。
ただ、簡単な問題であぐらをかいていたら、経験値はたまらない。
私たちが目指すのは、ラスボス討伐だ。
勇者になることだ。
だから、目の前のスライムから、ていねいに倒すんだ!
いいか、一語一句、全部完璧にノートをとるんだ!」
「せんせーが書いた文字は全部ノートに書くってこと!
赤ペン、青ペン、えんぴつ、フル稼働だ!!
いくぞ!目指せ、勇者!!!!」
「うおおおおおお!!!」
この単元、気をつけていないと、魂抜ける子がよくでるんです。
いかに盛り上げ盛り上げ楽しませ、積極的に勉強させるか。
子供たちVS私、ファイッ!!!
「よし、スライム倒したぞ!
きみたちは、木の剣をゲットした!!!」
「うおおおおおおお!!!」
「さあ、次のレベルだ!
気を引き締めていくぞ!
今ていねいに頑張ってる人だけが、ラスボス倒せるんだからな!!!」
「せんせー、次の問題ははぐれメタルくらいですか!?」
「(はぐれメタル!?なんだそれは!?)
ちがうぞ、まだまだ基本だ!
スライム3びきくらいだ!
心してかかるぞ!」
「せんせー、それははぐれメタルくらいです!」
「そうか!すまんかった!!!!
けど正直何スライムでもええわ!
とりあえず、倒してくれ!!!」
まあこんな感じでめちゃくちゃ盛り上がって、子供たちもいつも以上に目をギラギラさせて、楽しみながら頑張ってくれました。
結果、私がラスボスに設定していた問題を、初見で8割以上の子が正解することができました。
当初の想定以上の出来。
やるじゃない、きみたち!!!
休憩時間になると、わらわらと集まる子供たち。
「せんせー、スライムってそんな弱くないで」
「そーやで!キングスライムめちゃ強いで!」
それはあれだな、夫がやってたドラクエの話だな。
「せんせー、そもそも、木の剣より石の方が強いよ」
なんだと!!!???
「えっうそやん!!!
木より、石の方が強いの!?ほんまに!?」
「うん、マイクラなら常識」
そのあと、マイクラの武器の序列を丁寧に教えてもらったんだけど、それはそれは衝撃的なものだった。
衝撃的すぎて、何がなんやら忘れた。
10個くらいの武器をランキング形式でていねいに教えてくれたけど、「え、そーなの!?」な順番だったもので、さっぱり記憶に残っていない。
マイクラ、やったことないしな。
よゐこのユーチューブ動画しか見たことないわ。
「とりあえず、最強なのは何なん?」
「ダイヤの剣やで」
「そーなんやー!かっこいいな!!!」
そんなかんじで盛り上がってたら、前の方から小走りに興奮した男の子が。
「せんせー!!オレそろそろロケットランチャー持ちたい!!!!」
それはもう、何のゲームなんだ。
先生、わからんわ。
「せんせー、そろそろ防具がほしいです!」
「ダンボールを体に巻くんだ!!!」
「えっダンボール!?」
テストが楽しみだね。
ダイヤの剣持って、がんばれ子供たち。