私は塾で小学生に勉強を教えている。
そして小学生だからなのか、みんな割と好き勝手に色んなことを言ってくる。
昨日はあんまりにも暑かったので、髪をくくって出勤した。
そしたら、食いつく食いつく子供たち。
「せんせー!!イメチェン!?」
髪くくっただけや。
「せんせー、何があったん!?」
暑いから髪くくっただけや。
「せんせー、めっちゃ似合ってる!そっちのほうがいいよ!!」
あら、ありがとう。
「えー、前のほうがよかった」
そうか、でも先生は暑くてたまらんのや。
廊下を歩くだけで、4年生、5年生、6年生がわらわらと集まってくる。
なんなら担当してない3年生も興味深そうに遠目でこっちを見てくる。
髪くくっただけやぞ!!!!
子供たちにとっては一大事件なのだろうか。
水族館のペンギンみたいに集まってきてた。
大人同士だとそんなこと言わないよね、なことも、子供たちはガンガン言ってくる。
はじめのころ傷ついていた言葉は
「せんせい、化粧濃い」
就職してすぐのころは、だいぶショックを受けていた。
え、濃いかな!?だいぶナチュラルな気がするんだけど!!!
え、なんか変えた方がいいんだろうか…
でも気づいた。
ノーメイクの彼らにとっちゃ、アイシャドウひとつしてるだけでも濃い化粧なんだ。
今では返しもお手の物。
「せんせい、化粧濃い」
「そやろー。でもこれが大人のマナーってやつや。大変やろー。大変やわー」
「せんせい、顔キラキラしてる」
「そらこんだけ暑かったら汗かきますわ。汗かいたら化粧も落ちますわ。先生も必死や」
別に傷つけようと思って何かを言ってくるんじゃないんですよね。
もう、思った言葉を思ったままにぶつけてくるだけ。
大砲ガンガン打たれる感覚。
言われたセリフで理不尽ナンバーワンはこれかな。
「えっ…先生、自転車乗って塾に来てるの…!!??えっ…うそ…やだ、似合わない…」
私にどんなイメージ持ってるんだ。
自転車くらい乗るわ!
「やめて…自転車乗って欲しくない…」
当時ものすごく慕ってくれていた女の子からのこの言葉。
いや、なんとかしてあげたいけど、家からチャリンコ5分だし、私はこれからも乗り続けるよ…
「車に…乗って欲しい…」
なんなんだろう、このイメージ。
笑ってしまった。
いつも元気ハツラツで明るく真面目な女の子が、この世の終わりのような顔をしていました。
転職前の塾で担当していた子なので、もう高校生になっているはず。
そろそろ自転車を許してくれるようになっただろうか。
ストレートに意見をぶつけてくるのが、一周回ってとても楽しいです。