突然だが、私は運転が下手だ。
ショッピングモールなんかのちょっと狭い立体駐車場なんかだと、冷や汗をかく。
免許をとったのはもう何年も前で、最近ゴールド免許に更新した。
けれど経験値はとても低く、ポンコツである。
そんなポンコツ妻なので、夫婦でお出かけするときは基本夫が運転してくれる。
「おれ運転キライじゃないし、いいよ」と言ってくれるのだ。
優しい。
GWの四国旅行でも、夫がほとんど運転してくれた。
見たことない道でも、高速でも、スルスル難なく運転する。
「運動神経のいいやつは、運転もうまいよ」
なるほど、私が下手なのも納得だ。
学生時代、どれだけ頑張ってもハンドボール投げで10mを超えられなかったんだから、運転だってそんな上手く行くはずがない。
けれど今回のGWでは私の運転が大活躍したのだ。
いえーい!!!!役に立った!!!!
たまにはね!!!!
ニュースで「旅行者の数、まじはんぱねえ!」と連日伝えられていたこの大型連休。
私たちは最終日にその洗礼を浴びることになる。
四国から淡路島経由で家に戻る選択をした私たち。
淡路島、全く抜けられん!!!
本来なら1時間30分で抜けられるはずの淡路島。
何時間かかったかなあ…
4時間かなあ…
いや、もっとかなあ…
私のファインプレーは、この渋滞に捕まる前に夫と運転をバトンタッチしていたことだ。
夫は渋滞がきらい。
イライライライラしてたまらんらしい。
けれどそれは自分が運転していたらの話。
今回は私が運転していたので、機嫌よくモンストに熱中していた。
そんな中、私はというと。
ウキウキで運転を楽しんでいた。
渋滞ってね!!!基本怖くないんですよ!!!
ガンガン飛ばす車がいなければ、急に車線変更する車もいない。
のろのろ進んで、止まって、のろのろ進んで…の繰り返し。
どっちかというと、渋滞、すき!!!!
後ろに予定がつまってなければね。
まず、極限までアクセルを踏まない運転を目指して楽しむ。
ブレーキの微調整だけで車を操る。
なんだかとっても繊細に車を操っている気分になれる。
私、めっちゃ運転うまいじゃん!!!と鼻を伸ばすことができる。
最高だ。
止まる時間が長くなってくると、サイドレバーも駆使し始める。
なにかのパイロットになった気分。
とても楽しい。
そして勝手に一人で喋り出す。
「あの黒い車、運転上手いぞ!尊敬する!いいね!」
「後ろのおじいちゃん、運転席にだいぶ深く座ってるけど大丈夫だろーか」
「おおー!珍しい色!オレンジの車!!!」
「この狭い中横入りとは、なかなかやりおるな、お主」
渋滞が続くと歌まで作り始める。
「のーんびーりいっくっよー!ふふふふ〜」
その横で静かにモンストする夫。
いやー平和だわー。
スムーズに流れ出してからは、相棒を作る。
そんなに飛ばしすぎず、そんなに遅すぎず、一定スピードをキープする車についていく。
「いいね!黒ちゃんの運転とってもいい!私は一生ついていくよ!!!」
長いこと寄り添った相棒との別れはかなり悲しい。
100km以上連れ添ってたら、それはもう親友と変わりない。
相棒が高速を降りていくときの切なさと言ったら、言葉に表せないものがある。
「ありがとう!ありがとう、相棒!!!元気でねーーーー!!!!」
ちなみにこの間、夫は無言である。
たまにふふって笑ってるかな。
たぶんうち、仲良いな。